普通にやるというのはテクニック
前回同様、キャンパス誌づくりの話。
学生時代に、キャンパス誌を作っていたことは、
書いた。(『青が違う~「晴れた沖縄・青い海」』、2007年3月6日)
私は、アートディレクターを務めていた。
3年の終わりに、新人アートディレクターに業務の引継ぎをした。
一通り、説明し終わった後に、私はこう聞いた。
「だいたい、こういうことだけど、何か聞いておきたいことある?」
新人のYアートディレクターは、聞く。
「こういうときは、どうすればいいんですかっ?!」
私は、答える。
「普通にすればいい」
新人アートディレクター・Y君は、尚もたたみ掛ける。
「それじゃあ、こういうときは、どうすればいいんですかっ?!」
私は、答える。
「普通にすればいんだ!」
横で聞いていた編集員たちは、どんなに面白かったことだろう。
テクニックを教えると言いながら、
「普通、普通」と言っているのだから。
私が手を抜いて教えていたわけでなく、
「普通にする」としか、答えようがなかったのである。
「仙人らくらくコース」というものがあった。
「仙人ロボットが出てきて、
仙人になるための修行をつけてくれる」ものだ。(1)
その中には、雲に乗るという修行も含まれていた。
しかし、のび太君は、なかなか、雲に乗れないでいた。
そんなのび太君に、仙人ロボットは、こう言う。
「普通にやればいいのじゃ!」
普通にやるというのはテクニックなのだ。
(1)http://www.dsdb.jp/tool/a-frame.html
2007年3月9日。
(城田 博樹)