教授が上手に両手を自分の膝に置く
NHKの番組で、テーマを決められて、
坂本龍一<教授>が、曲を作ったという。
ちょうど、「エナジー・フロー」という
シングルがヒットした後だったと思う。
テーマを、2曲にまとめたという。
坂本龍一<教授>は、シンセサイザーで演奏を始めた。
1曲目の終わりには、気付かなかったのだが、
2曲目の終わりに、最後の音を弾いた後、両手が宙に浮いたことに気付いた。
「どうするだろう?
宙に浮いた両手を、この後、どうするのだろう?」
と私は思った。
<教授>は、迷わず、両手を「膝の上に」置いたのである。
「さすが!」
と私は思った。
2秒後に、
「当然か!」
とも思った。
手を「膝の上に」置く行為を、坂本<教授>は、
何回、練習したのだろう? と私は感じた。
何百回?
何千回?
練習だけでなく、コンサートも含めれば、
何万回?
弾き終わった後、シンセサイザーのキーに不用意に手が触れたら、
曲の印象は台無しになってしまうのだろう…。
「一流のキーボード・プレーヤーだ!」
と思うようになった。
以後、私は、坂本龍一<教授>の動向に、注目するようになっている。
(城田 博樹)