好きです・好きです=ウォー・アイ・ニー
冬。
二月十四日。
午後。
私立高校。
1年B組の教室。
蘭々が机に伏せって泣いている。
響子「蘭々、渡せなかったの?」
蘭々「そ」
響子「瞬くんの住所なら、分かるわよ!」
蘭々「持ってく」
瞬の家の前。
夕方。
蘭々は制服姿。
瞬は普段着。
蘭々「受け取って」
とチョコを渡す。
瞬「本命? 義理? 手紙が付いてないところをみると、義理かな?」
蘭々「……」
瞬「違う?」
蘭々、
「ウォー・アイ・ニー!」
と、大きな声で、言って、走って帰る。
瞬「何だろ?」
瞬、家に入る。
二月十五日。
教室。
瞬が蘭々の席まで来て小声で、
「『ウォー・アイ・ニー』の意味は分かったんだけどさ、
『俺も』って、何て言うかが分からないんだよね」
蘭々「『オレも』?――あっ」
瞬「感動?」
蘭々「カンゲキ」
投稿者 : 城田 博樹 | 投稿日時 : 2009.05.29 22:11