先生のナレーション
もう20年ほど前のことである。
<先生>は、ドイツ支部へのビデオを制作していた。
古流武術・鹿島神流の解説ビデオだ。
<先生>が、T波大学教授にして、19代師範家であるということが、
我々・鹿島神流武道連盟の最大の売りである。
(現在は、T波大学名誉教授である)
鹿島神流武道連盟T波大学支部学生部
=T波大学体育会鹿島神流武道部でもある、
というちょっとややこしい構成である。
(鹿島神流は、1994年1月に、同好会から部会に昇格した)
これは、まだ同好会だったころのお話だ。
ビデオのナレーション録音に私が同席した。
先生が、ナレーションを録音した。
お世辞にも上手いとは言えないものだった。
8分後、私は、
「えっ!」
と思った。
突然、先生のナレーションが、プロのナレーションに
変わったのだ。
試行錯誤の時間が、私の予想した時間の半分だった。
東大卒の余裕か?(先生は、東京大学出身なのである)
博士号のなせる技か?(先生は、博士課程を修了していた)
19代師範家としての証明か?(鹿島神流19代師範家であることは前述した…)
驚きのまま、先生の録音は終了してしまった。
――と、このような先生が中心になって教えている流派だ。
T波大学に入った皆さん、
力を入れるクラブ・サークルは、決まっただろうか?
体育会鹿島神流武道部は、ただいま、部員を募集中。
先生の境地には至れないかもしれないけれども、
その一端を知るだけでも勉強になるのではないだろうか?
入部をお勧めする。
おっと、<体育会>と聞いて、止めようと思った方、慌てないで。
高校から古流武術をやっていた人は、
ほどんどいないので、安心を。
連休明けに見学に行ってみては、どうだろう?
(城田 博樹)