目的のために『わんこそば状態』
高校の修学旅行は、東北へ行った。
旅行先は、選択できることになっていて、
私は、「東北A」というコースを選んだ。
岩手県の盛岡へも立ち寄るコースだ。
希望者だけ、「わんこそば」を食べに行っても
良いことになっていた。
皆と別れて、8人ほどで、わんこそば屋へ出向く。
「誰が一番、多く食べるだろうね!」
私には、自信があった。
前日にバスガイドさんから、
「わんこそば」必勝法を授かっていたからだ。
「『わんこそば』以外にも、料理がたくさん出るの。
でも、それに絶対、手を付けてはダメなの。
ひたすら『わんこそば』を食べるの。
絶対、一位になれるわよ!」
アドバイスに従った。
ひたすら「わんこそば」を食べたのだ。
68杯だったか、86杯だったか定かではないが、私が一番になった。
食べに行った皆は、驚いた。
「Sが一位なんて!!」
人生の過ごし方も、ひたすら「わんこそば」が良いのではないか?、
と私は感じた。
名著・『アイデアはいかに生まれるか』に、こうある。
チャップリンのいう勇気が、希望を実現するためにほかのこと
を犠牲にする勇気だとすると、これはすでに出てきた天才がもつ
勇気と同じになる。希望や夢という人生の目的があり、それを実
現するために集中的かつ長期にわたって考えつづけることがアイ
デアを生む鍵になる。
そのためにはほかのことを犠牲にして努力を惜しまないことが
重要という、これまでと同じ結論に落ちつくのである。(1)
それを「わんこそば」で、やってしまっただけだ。
(1)後藤尚久:『アイデアはいかに生まれるか』、講談社、1992年。
投稿者 : 城田 博樹 | 投稿日時 : 2007.11.17 17:10