ルーカスの失敗
人は、同じ過ちを繰り返しがちである。
だから、ジョージ・ルーカスは、偉大な映画製作者だと思う。
「THX 1138」という映画を知っているだろうか?
ジョージ・ルーカスが<興業的に失敗>してしまった映画だ。
体外受精でなく、子供を作ってしまう――という未来を描いた映画だ。<体外受精の時代>に、性行為によって、子供を作ってしまう――という、
「明るい」テーマが題材なのだ。
テーマはともかく、表現が暗いため、失敗作となってしまった。
ルーカスの偉大だった所は、「THX 1138」での失敗を、<二度と>、繰り返さなかったことだ。
明らかな失敗は、「THX 1138」だけで、
以後、「スター・ウォーズ」のような、明るい映画を撮り始めるのだった。
「アメリカン・グラフィティ」や「スター・ウォーズ(エピソードIV)」での
成功は、周知の通りであろう。
もちろん「スター・ウォーズ」シリーズも、テーマは「暗い」。
もの凄く「暗い」。
何と、「アナキン・スカイウォーカーのしょく罪」がテーマだというのだ。
(アナキン・スカイウォーカーとは、
エピソードIV〜VIの主人公・ルーク・スカイウォーカーの父で、
後にダース・ベイダーになる人物だ。)
ただ、「THX」での失敗を繰り返さず、
「スター・ウォーズ」シリーズでは、明るい表現にしたのだ。
「明るいテーマを、暗く表現するのではなく、
暗いテーマを、明るく表現する」ことを学んだのだった。
やはり偉大だ。
投稿者 : 城田 博樹 | 投稿日時 : 2009.01.24 9:13