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シナリオ・ライフハック Vol.2

~あなたの人間力を高めるブログです

オーヤンの話


オーヤンと私は、仲が良かった。
男の子の友達だ。


先生は、ある日、こう言った。
「大山君は、今日から、U君になります」
小学4年生のときだった。
もう30年以上前の話になる。


私たちは、顔を見合わせた。


親が、離婚したのだった。
オーヤンは、お母さんに引き取られたのだ。


“オーヤン”を何と呼べば良いのだろう?
“オーヤン”を「オーヤン、オーヤン」と呼んでいた、
私たちの気持ちは、どうなるのだろう?


大山の呼び名をオーヤンとつけたのは、
実は、私だった。


しばらくは、しょうがないので、
「U君、U君」
と呼んでいた。何と呼んで良いのか分からなかったからだ。


「苗字が変わる」ということは、私たちには一大事だった。


オーヤンの家へ、一度、遊びに行ったことがある。
優しそうな、お母さんだった。
よっぽどの事情だったのだろう。


お父さんが、ひどい人だったのかどうかは知らない。
親の都合で、苗字を変えられる子供は、
たまったものではないな、と思った。


「アメリカみたいだな!」とも思った。
日本もこれから、こういう(離婚が頻繁に行われる)世の中に
なるのだろうな、と思った。
本当になったが。


5年生になるときのクラス替えで、
大山と私は、クラスが分かれてしまったので、
疎遠になってしまった。


大山を“オーヤン”と呼び続けていたら、
疎遠にならなかったのに――と思うのは、私の身勝手か?


「離婚の世の中」が腹立たしい。


投稿者 : 城田 博樹 | 投稿日時 : 2009.03.20 21:21